CD PROJEKTは、2024年第3四半期に90億円を超える収益を記録。「サイバーパンク2077」とDLC『ファントム・リバティ』の成功、さらに「ウィッチャー3」の安定した人気が業績を支えています。次世代プロジェクトにも注目が集まる中、同社の成長が期待されています。
サイバーパンク2077とファントム・リバティの成功
CD PROJEKTは、2024年第3四半期において、収益2億2800万ズロチ（約90億円）、純利益7800万ズロチ（約31億円）を計上し、堅調な業績を達成しました。この好調な結果は、「サイバーパンク2077」およびその拡張パック「ファントム・リバティ（仮初めの自由）」、そして「ウィッチャー3：ワイルドハント」シリーズの継続的な人気に支えられています。
特に、「サイバーパンク2077」は累計販売本数3000万本を突破し、2020年の発売以降、根強い人気を誇っています。また、同作のDLC「ファントム・リバティ」は、発売から約1年で800万本以上の売上を記録し、同タイトルの収益基盤をさらに強化しました。
同社のミハウ・ノワコフスキ共同CEOは、「これらの成果は、世界中の熱心なファンの方々からの支持と、当社の品質にこだわる姿勢の賜物です」と述べています。さらに、2025年初頭にはApple Silicon搭載のMac向けに「サイバーパンク2077：アルティメットエディション」をリリース予定であり、新たなプラットフォームでの収益拡大が期待されます。
サイバーパンク2077 アルティメットエディション—夢の街
新たなアニメーションプロジェクト
同社の最高財務責任者ピオトル・ニールボウィッツ氏は、「Netflixにて配信を予定している新たな『サイバーパンク』のアニメーションプロジェクトを鋭意制作中です」と述べ、同社のIP展開における新たな取り組みについて言及しました。
Netflixは9月に公開したティザー映像において、CD PROJEKTとの新たなコラボレーションを示唆しており、業界内では大きな注目を集めています。今回のアニメーションプロジェクトが、前作「サイバーパンク：エッジランナーズ」を制作したTRIGGERと再び組むのかどうかは、まだ決まっていません。
一方、「サイバーパンク2077」の続編となる「プロジェクト・オリオン」は、CD PROJEKT REDの北米スタジオを中心に開発が進められています。同スタジオは、ボストンとバンクーバーに拠点を置き、新たな「サイバーパンク」の世界を構築するため、日々尽力しています。
Netflix x CDPR x Cyberpunk | Special Announcement | Netflix
ウィッチャーシリーズの次世代へ
同社は、新たなウィッチャー三部作の第一作となる「プロジェクト・ポラリス」の開発を順調に進めています。プリプロダクションを終了し、現在は本格的な制作段階に入りました。ニールボウィッツ氏は、本プロジェクトについて、「数週間前に本格的な制作段階に移行したことをご報告いたします」と述べました。
ニールボウィッツ氏は続けて、「当社の全プロジェクトの中で、これが最も進捗しており、最も集中的な開発段階に入っております」と説明しました。開発チームは約250名で構成されており、リリース時期は2026年後半から2027年前半を目標としています。
また、同社のゲームディレクターのセバスチャン・カレンバ氏もソーシャルメディア上で本件について言及し、「プロジェクト・ポラリスが本格的な制作段階に入ったことを喜んでお知らせいたします」とSNSに投稿しました。
カレンバ氏はさらに、「新たな課題に直面する中、才能豊かで勤勉な開発チームが、今後の「ウィッチャー」サーガを卓越した体験にできると確信しています。今後の展開にぜひご期待ください」と述べています。
なお、カレンバ氏は 2022 年に新しい「ウィッチャー」サーガの監督に任命されており、本サーガは三部作として展開されることが既に確認されています。
財務の強さと成長の見通し
CD PROJEKTは、2024年において堅調な業績を維持しており、累計純利益は2億5,000万ズロチ（約99億円）に達する見込みです。同社のピオトル・ニールボウィッツ氏は、売上ピークとなる第4四半期に向け、さらなる成長を期待していると述べています。
2024年第3四半期の好調は、『サイバーパンク2077』や『ウィッチャー3』シリーズの継続的な人気と、新たなプロジェクトの順調な進行に支えられています。CD PROJEKTは、これらの実績を基に、今後もゲーム業界を牽引する存在としてさらなる発展が期待されます。
※金額は1ズロチ=約39.7円（2024年11月27日現在）で換算しています。為替レートの変動により実際の金額は異なる可能性があります。
情報元：CD PROJEKT News